#66_20160802_「なぜウチの会計士は使えないのか」

「なぜウチの会計士は使えないのか」

経済社会における自分のポジション上、ベンチャー役員とかVCから、この質問を受けることが、本当に多い。単純な構造なのに、びっくりするぐらい多い。そこには、明らかな情報の非対称性があって、いつも説明を強いられる。面倒なのでメモ化してコピペで都度送っていたのだが、もしかしたらそんなに無価値ではないのかも…と感じたので、ここに公表します。

<ベンチャー企業に入ってくる会計士>
・多くが監査法人から転職してくる
監査法人では、監査だけをしている
・ゆえに、例えば以下のことをしたことが「ない」。 [財務諸表・仕訳作成 / 税金計算・納税 / Valuation・DD・財務モデル作成 / 営業 / プロジェクトマネジメント / GoogleAppsやSlack,Qiita,Trello等一般的仕事ツール利用 / 会計ソフトや税務申告ソフト、労務管理ソフト等専門仕事ツール利用 ]
・上司も部下も同僚も全員同じ環境の会計士

<ベンチャー企業で想定されがちな役割>
経営管理全般(財務・経理・労務・総務・法務)
・仔細は省略するけど、銀行/ファンドと交渉したり財務モデル起こして事業計画引いたり仕訳切ったり源泉税納付したり社保手続きしたり給与計算したり資料を整理格納したり経費申請プロセス作ったり登記したり組織決定の会社法書類整えたり

<結果どうなるか>
・できることと、現実との間のギャップに直面する
・結局、分割して専門家ごとに丸投げ(非効率・コスト増・存在意義△)
・結局、そのまま対応可能な人間に丸投げ(難易度高・存在意義△)
・結局、自分で非効率なまま全部やってどこかのタイミングで破綻or高コスト状態で最後まで

・結果、当該会計士も会社もハッピーじゃない

<どうするべきか>
監査法人直後の会計士の価値は、会計基準と内部統制に詳しいこと。細かい作業を根気よくミス少なくこなすこと。
・=上場準備担当者ポジション、IR担当者ポジションには向いている。経営管理全般の管理者や実施者ではない。ゆえに、参画は、上場が見えてきたSeriesB後ぐらいからが望ましい。
・共同創業者として、経営管理全般を任せたいなら、ベンチャー企業での経営管理(当然財務領域含む)経験のある会計士、もしくはFAS投資ファンドと税理士事務所への勤務経験のある会計士を発見する必要がある。
・しかしもちろんそんな人間は需要過多で枯渇しており、ゆえに高価格で、創業直後の低収入時代を甘受してくれる可能性が低く、従ってまぁなかなか見つからない。
監査法人直後ではなく転職を挟んでいる場合、そこで身につく実務能力を具体的に定義して、何ができるのか、を都度考えるべき。抽象的に経営管理〜とすると、監査法人直後の会計士を採用した場合と同じ問題に直面する。

以上。「00(上記ギャップ直面中)な状況なのだが、助けて欲しい」と言われ、ベンチャー企業内の経営管理担当会計士を、外注として指導したりするのだが、なかなかに両者不幸だなーと感じる。しかし、”枯渇している”のは、会計士業界の問題であって、会計士1人1人が自分の立場と経済社会における需給を把握して、RPGのレベル上げのように実務能力向上に努めるべきだ、と思うね。…短期的解決策を提供できずすいません。